「リスキリング」という言葉が定着し、企業による従業員向けの学び直し支援や、国の教育訓練給付制度を使ったスキルアップに注目が集まっています。数あるリスキリング対象スキルの中でも、英語は「今すぐ仕事に活きる」「習得の道筋がわかりやすい」という理由で選ばれやすい分野です。本記事では、英語学習に使える公的な補助金・助成金制度を公式情報をもとに整理したうえで、制度の対象にならなかった場合でも始めやすいオンライン英会話の選び方を紹介します。
この記事でわかること
- リスキリングとは何か・英語が対象スキルに選ばれやすい理由
- 教育訓練給付制度(一般・特定一般・専門実践)の給付率と上限額
- 会社経由で使える人材開発支援助成金との違い
- 対象講座かどうかを自分で確認する方法(厚生労働省の公式検索システム)
- 補助金にこだわらず始める場合のオンライン英会話比較・向き不向き・FAQ
リスキリングとは・なぜ英語が選ばれやすいのか
リスキリングとは、技術革新や事業構造の変化に対応するために、新しい職務や役割に必要なスキルを学び直すことを指します。経済産業省や厚生労働省が支援策を打ち出していることもあり、企業・個人の双方でリスキリングへの関心が高まっています。
数あるスキルの中でも英語が選ばれやすいのは、海外拠点とのやり取りや外資系企業との取引、社内公用語化の動きなど、「英語力があること」自体が異動・転職・昇進の選択肢を広げる汎用スキルだからです。プログラミングやデータ分析のように専門知識をゼロから積み上げる必要がなく、日常会話レベルからでも仕事の幅を広げられる点も、学び直しの入り口として選ばれやすい理由といえます。
英語学習に使える公的な補助金・助成金制度
英語学習(に限らず職業スキル全般の学び直し)を対象にした公的な支援制度には、大きく分けて「個人が申請するもの」と「会社(事業主)が申請するもの」があります。
① 教育訓練給付制度(個人が申請)
雇用保険の被保険者(または被保険者だった方)が、厚生労働大臣の指定を受けた講座を受講・修了した場合に、受講費用の一部が支給される制度です。講座の種類によって給付率が異なります(出典:厚生労働省)。
| 区分 | 基本給付 | 資格取得+1年以内に雇用された場合 | さらに賃金が5%以上上昇した場合 |
|---|---|---|---|
| 一般教育訓練給付金 | 20%(上限10万円) | ─ | ─ |
| 特定一般教育訓練給付金 | 40%(上限20万円) | 50%(上限25万円) | ─ |
| 専門実践教育訓練給付金 | 50%(上限40万円) | 70%(上限56万円) | 80%(上限64万円) |
② 人材開発支援助成金(会社が申請)
事業主が従業員にリスキリング目的の訓練を実施した際、訓練期間中の経費や賃金の一部を会社側に助成する制度です(出典:厚生労働省)。助成率は企業規模や対象労働者、訓練内容によって30〜70%と幅があり、助成限度額も1人あたり10万円〜50万円程度と条件によって変動します。この制度は会社が申請するもののため、個人が直接利用することはできません。「会社にリスキリング研修の制度があるか」を人事部門に確認してみるのも一つの方法です。
制度を使う前に必ず確認すべきこと
ここで注意したいのが、「英語学習=すべて教育訓練給付金の対象」ではないという点です。対象講座は厚生労働大臣が個別に指定したものに限られ、指定を受けていないオンライン英会話サービスも数多くあります。気になるサービスがある場合は、以下の公式検索システムで事前に確認しておくことをおすすめします。
- 教育訓練給付制度 検索システム(厚生労働省公式)で、講座名・事業者名・分野から対象講座を検索できます
- 対象講座であっても、雇用保険の被保険者期間など個人ごとの受給要件を満たしているかは別途確認が必要です
- 制度の詳細な要件は変更されることがあるため、申請前に必ずハローワークまたは厚生労働省の公式情報で最新の内容を確認してください
補助金にこだわらず始める場合のオンライン英会話比較
対象講座が見つからない、あるいは会社の助成金制度がない場合でも、リスキリングとしての英語学習をあきらめる必要はありません。オンライン英会話は月額数千円台から始められるサービスも多く、給付金の申請・受給を待つよりも早く学習をスタートできるという現実的なメリットがあります。
| サービス | タイプ | 月額目安 | こんな人に |
|---|---|---|---|
| Bizmates | ビジネス特化オンライン | 14,850円〜(毎日25分) | 転職・異動・昇進など具体的な目標がある人 |
| DMM英会話 | 汎用オンライン | 4,880円〜(月8回) | まずは日常会話から英語に慣れたい人 |
| レアジョブ | 汎用オンライン(日本語サポート厚め) | 4,980円〜(月8回) | 日本人カウンセラーに相談しながら進めたい人 |
| ネイティブキャンプ | 汎用オンライン(回数無制限) | 7,900円〜(レッスン回数無制限) | スキマ時間にできるだけ多く練習したい人 |
選び方の考え方:転職や異動など具体的なキャリアの節目が見えているなら、ビジネスシーンの教材が充実したBizmatesのようなビジネス特化型が効率的です。「まずは英語に慣れることから始めたい」段階であれば、DMM英会話やレアジョブ、ネイティブキャンプのような汎用型で日常会話力の土台を作るところから始めるのも良い選択です。
向いている人・向いていない人
✅ 向いている人
- 会社のリスキリング推進や社内公用語化の動きを感じている
- 転職・異動・昇進など、キャリアの選択肢を広げたい
- 資格試験対策よりも「実際に使える英語力」を重視したい
- 補助金の対象講座が見つからなくても、まずは学習を始めたい
⚠️ 向いていない人
- 補助金の受給が絶対条件で、対象外なら学習自体を見送りたい(→対象講座を根気強く探すか、まず制度を使わずに始めるかの判断が必要)
- TOEIC・英検などの資格スコアが主目的(→試験対策特化の記事を参照)
- 会社の研修制度だけで完結させたい(→人事部門への確認が先)
よくある質問(FAQ)
Q. オンライン英会話は教育訓練給付金の対象になりますか?
サービスによって異なり、すべてのオンライン英会話が対象になるわけではありません。厚生労働省の教育訓練給付制度 検索システムで講座名や事業者名から対象かどうかを確認するのが確実です。対象外だった場合でも、月額数千円台から始められるオンライン英会話であれば、補助金なしで気軽に学び直しを始めることができます。
Q. 一般教育訓練給付金と専門実践教育訓練給付金の違いは?
一般教育訓練給付金は受講費用の20%(上限10万円)で、幅広い講座が対象です。専門実践教育訓練給付金は中長期的なキャリア形成に資する講座が対象で、基本給付は50%(上限40万円)、資格取得のうえ1年以内に雇用された場合は70%(上限56万円)まで引き上がります。特定一般教育訓練給付金はその中間で、基本40%(上限20万円)です。
Q. 会社員が個人で申請できる制度と、会社経由の制度の違いは?
教育訓練給付制度(一般・特定一般・専門実践)は雇用保険の被保険者が個人で申請するハローワーク経由の制度です。一方、人材開発支援助成金は会社(事業主)側が申請する制度で、個人が直接申請するものではありません。会社の制度がない場合は、個人で使える教育訓練給付制度の対象講座を自分で探すのが現実的です。
Q. 補助金の対象講座が見つからない場合、リスキリングとしての英語学習はどう始めればいい?
対象講座に必ずしもこだわる必要はありません。まずは無料体験で自分に合うオンライン英会話を見つけて継続することが重要です。月額4,000〜7,000円程度で毎日レッスンを受けられるサービスも多く、給付金を待つよりも早く学習を始められるというメリットもあります。
まとめ
リスキリングとしての英語学習には、教育訓練給付制度や人材開発支援助成金といった公的な支援制度がありますが、対象講座はすべてのオンライン英会話をカバーしているわけではありません。気になるサービスがあれば、まず厚生労働省の公式検索システムで対象かどうかを確認しましょう。
対象講座が見つからなかった場合でも、リスキリングの本質は「キャリアに活きるスキルを身につけること」です。補助金の有無にとらわれすぎず、無料体験を活用してまずは学習を始めてみることをおすすめします。